「アムステルダム・ブリュッセル・パリ」カテゴリーアーカイブ

アムステルダムとブリュッセル,そしてパリへ.ヨーロッパの成熟した都市に行ってきました.

アムステルダムの風景1[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記1]

アムステルダム,ブリュッセル,そしてパリへ.あこがれのヨーロッパ大陸へ旅立った.自由な気風の漂うオランダのアムステルダム,EU本部のあるヨーロッパの首都として新しい風の吹くベルギーのブリュッセル,そして超特急タリスに乗って,世界各国から観光客が訪れる花の都フランス・パリ.それぞれの地でヨーロッパの感性を受けてきた.そんな旅の世界へ,皆さまをご案内いたします.

(旅行年月2006年6月)


飛行機の機内食

アムステルダムの前に,ちょっと機内食.ちょうどワールドカップドイツ大会が開催されているときであり,サポーティングカンパニーとなっている日本航空では,成田空港の係員がブルーのシャツを着て応対し,ロビーや機内では日本の試合結果の放送が流され,カップにはサムライブルーの文字が刻み込まれていた.結果的に残念な結果であったが,ヨーロッパでもワールドカップは盛り上がっていた.

今回の旅行は,アムステルダムでゲートインし,鉄道を使ってパリに移動してシャルルドゴール空港からゲートアウトするオープンジョーの行程を組みたかったので,日本航空のJAL悟空(PEX運賃)を使った.多少は値段が高いが,往復とも直行便が使えるし,時間が有効になって現地の滞在時間も増やせるし,日本の航空会社の安心感もあるしで,PEX運賃でもメリットがあった.

カメラがとらえた画像

エコノミークラスでも前シートの背もたれに各個人ごとに液晶モニターがついていて,外のカメラ映像を見ることができた.これはちょうどシベリア上空の北極圏を航行しているときの真下の映像で,白い模様が面白いので撮ってみた.山の谷(渓谷)の部分に残っている雪のようで,このような幾何学的な模様となって見えているのであった.上の方の白い雲みたいな部分は,水が凍っている映像らしい.

スキポール空港

12時間のフライトで到着したスキポール空港.日本航空のヨーロッパ直行便は,イギリス・ロンドン,フランス・パリ,ドイツ・フランクフルト,そしてオランダ・アムステルダムの4路線が設定されている.スキポール空港は近代的で大きな空港で,ここからヨーロッパ各地へのトランジットとしても利用される.

入国審査は驚くほど簡単で,パスポートをちょっと見ただけで終わり.帰りの航空券の提示も求められず,スタンプさえも押してくれなかったので,なんだか物足りない感じである.多くの移民を受け入れてきたオランダの気風を感じる.

アムステルダム中央駅

アムステルダム中央駅.ホテルが駅前にあったので,さっそく中央駅に行ってみた.東京駅丸ノ内口赤煉瓦駅舎のモデルとなったと言われ,1889年に完成している.ヨーロッパの駅には改札口はなく,切符の検札は車内で行うことになっているため,ホームまで自由に入っていくことが出来る.線路を大きなアーチで覆うホームを見ると,ヨーロッパに来たなと思わせる光景である.このときの時刻は夜の8時であるが,日本の感覚ではまだ午後4時頃の明るさである.緯度が高く,サマータイムを実施しているアムステルダムでは,夜10時過ぎまで空が明るい.

「夜」のダムラック通り

中央駅からダム広場にかけて続く「ダムラック」と呼ばれる大通り.アムステルダムという名前は,アムステル川を堰き止めてダムを造って人々が住み始めたことから付けられた.ダムラックには商店や土産物店,ビールを飲む店などが建ち並び,最も賑わいのある通りのひとつであり,色々なところから集まってきた若者らによって賑わっている.夜8時過ぎでも,気温がまだ30度近くあり,アムステルダムの若者達は暑くなると,すぐ服を脱いで街を闊歩していく.僕も近くのオープンカフェに入って,オランダビール・ハイネケンを注文して夜を過ごした.

自転車王国

アムステルダムは運河が多く張り巡らされている街であり,坂がないこともあってか,非常に自転車を利用する人が多い.オランダの政策として,1990年に策定された交通総合計画により,車道内への自転車レーンの設置や,5km以内の移動は自転車の移動を推奨するようにしている.これは,この計画の中で2005年までに中心部の自動車交通を30%削減するように定めていたためで,国をあげてアムステルダム中心部の自動車削減と歩行者空間の創出を行っているのである.(参考文献:西村幸格・服部重敬著,「都市と路面公共交通」,学芸出版社,2000)

左の写真はダムラック通りの片側車道を潰して,歩道と自転車道を拡幅した区間である.このように自転車専用道を積極的に造っていき,歩道を整備していった結果,街中には人々が戻ってきて賑わいが蘇ってきたとのことである.

右の写真はマウンドアップ(段差をつけること)によって,車道と自転車道と歩道の3段の道路構成になっているもので,一番左に車が止まっているところが車道であり,1段の段差がついて自転車道となり,さらに1段の段差があって歩道となっている.

自転車道に立ち入って「ぼけっ」と歩いていると,容赦なく「チャリン・チャリン!」とベルを鳴らされて,にらみつけられるので注意が必要である.僕も慣れるまで2~3回ベルを鳴らされた.自転車道と歩道との区別がペンキなどで明確に記されているのではなく,段差やちょっとした色違いのブロックを使うことによって区分けされているので,なおさら観光客にとっては判りづらいのであるが,これは景観に配慮してのことであり,このように目立たなく区分けして,それに違和感なく自然に順応しているアムステルダムの人々を見て,逆に感動した.

ミュージアム広場のオープンスペース

ミュージアム広場では,子供達が芝生の上でサッカーをしている.背景に写っている建物は国立ミュージアムで,レンブラントの『夜警』やフェルメールの絵画などが展示してある.残念ながら,夜警は展示してなくて見ることが出来なかった.

アムステルダムでは,I amsterdamとのキャッチフレーズが観光パンフレットなどに書かれていた.私はアムステルダムです,という帰属意識向上なのか.

アムステルダムの風景2[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記2]

アムステルダムの運河

アムステルダムには,165の運河と1300程度の橋があるという.地図を見てみると,中央駅から扇状に運河が張り巡らされていることに気づく.アムステルダムは港町として発達し,17世紀には世界初の東インド会社の本拠地が置かれ,自由な貿易都市として繁栄していた.

アムステルダムの地図はこのとおり.

キャナルバス(Canal Bus)

その運河には水上バス(キャナルバス)が走っている.いくつかのコースがあるが,だいたい1時間半程度でぐるりと一周して戻ってくることが出来る.途中には桟橋があって,好きなところで降りて観光することもできるので,美術館などの観光施設と組み合わせて利用すると良い.
市内のトラム・バス・地下鉄,そしてこの水上バスに乗り放題の1日乗車券「オール・アムステルダム・トランスポート・パス(ALL AMSTERDAM TRANSPORT PASS)」が23ユーロで販売されている.購入は駅前の観光案内所でできる.このパスには,水上バスとトラム・地下鉄のチケットが別々に入っているので,それぞれ利用するときにチケットを見せることになる(トラムについては,「トラムの走る街」を参照).

水上バスからの眺め

水上バスに乗ると,また違った視点からアムステルダムの街を眺めることが出来る.1枚目の写真は,オランダでよく見られる建物のファサードである.1つの建物で3枚くらいの窓が並んで細長い高さになっている.家具などは1階から階段を使って上階に上げるのではなく,最上部からちょこっと梁が出っ張っているところにフックが取り付けられており,これを利用して窓からいれるようになっているらしい.(今もこれを利用しているのか,ちょっと詳細は不明)2枚目の写真は,よく見られる跳ね上げ式の橋である.街中,いたるところにこのような橋がある.3枚目の写真は,レーンごとになっている門のようなところ.目的は?4枚目の写真は,水上ボートで生活をしている人の舟.このように運河の縁にハウスボートを浮かべて生活している人が結構多い.

シンゲル運河沿いの小径

ライツェ通りからシンゲル運河沿いの道に入り,ムント広場に向かって歩いた.小道にはオープンカフェや花屋・小物を売る店が並んでおり,ブラブラ歩いているのも楽しい.

コーヒーショップ

アムステルダムの街を歩いていると,コーヒーショップに出くわすことがある.これが「コーヒーショップ」.でも,なんだか店構えが怪しい!? ここはコーヒーや紅茶を飲むところではなく,マリファナやハッシシなどのソフトドラッグを吸うための喫茶店なのである.オランダでは売春や安楽死は合法化され,麻薬は合法ではないがソフトドラッグであれば実質黙認という形をとっている.「自由と寛容」を受け入れるオランダらしい光景である.ヘロインやコカインなどのハードドラッグは厳しく罰せられる.
コーヒーショップでも,お客に対してマリファナなどを勧めてはいけないという決まりがあるらしく,店に入っても自分から注文しないと勧めることがないらしい.コーヒーが飲みたいときは,「コーヒーショップ」ではなく「カフェ」に行かなければならない.お間違えなく.

ダム広場

ダム広場はアムステルダムが街としてスタートしたところで,現在でも賑わいのある中心街である.左の写真は王宮で,現在は迎賓館として使用されている.各地からやってきた観光客などでいつも人で賑わっている.

ダムラックの賑わい

ダム広場から中央駅(写真奥に小さく写っている)にかけて通る「ダムラック」.歩道にはテーブルが置かれ,街並みを眺めながら美味しそうにビールを飲んでいる.そして,トラムが鐘を鳴らしながらゴトゴトと走っていき,自由と寛容を享受する人々の楽しい笑顔が満ちあふれている.もともと歩道はここまで広くなく,1990年代に片側車線を潰して,歩道と自転車道の拡幅を行ってこのようなトランジットモールになった.これによって人々の賑わいが復活したという.

いたるところに自転車

自転車が多く利用されているアムステルダムでは,いたるところの柵に自転車が鍵でくくりつけられている.

「飾り窓」地区

残念ながら,写真はありません.しかし,アムステルダムでは有名な地区なので,ちょっと紹介する.中央駅から旧教会や計量所にかけて,つまりダム広場の東側地区一帯は,飾り窓と呼ばれる地区で,日本で言うところのいわゆる風俗街である.オランダでは売春が2000年に合法化されており,売春婦も正式な職業として位置づけられている.ウインドー越しに女性が誘惑し,お気に入りの女性がいれば交渉して中に入る.カーテンが閉まっていればお取り込み中とのことで,ポルノショップや映画館なども建ち並んでいる.また,レズやゲイにも寛容な地区で,いろんな性風俗の文化がここでは渦巻いているのである.ただし,治安がよいところではないので注意のこと.

トラムの走る街[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記3]

アムステルダムを歩いていて街にとけ込んでいるな,と思えるものに「トラム(路面電車)」がある.近年は,都市部における路面電車が環境に優しいユニバーサルデザインとして注目されるようになっており,ここアムステルダムのトラムも,さまざまな施策を取り入れて,路面電車の維持に力を注いでいる.

アムステルダムの概要
人口 724,000人
都市圏人口 約110万人
市域面積 806km2
人口密度 1,370人/km2

(出典:西村幸格・服部重敬著,「都市と路面公共交通」,学芸出版社,2000)

アムステルダムのトラムや地下鉄・バスは,GVB(Gemeentevervoerbedrijf Amsterdam)と呼ばれる市営交通によって運営されている.

アムステルダムは,積極的に路面電車の近代化を進めた都市のひとつで,1950年代より輸送力が大きくてきついカーブでも曲がれる連接車(車両と車両との間に車輪の台車をもってくる電車)を導入したり,信用による運賃収受方式を取り入れたりしていった.トラムの全車両には,車両の位置が検知できる装置が設置されており,運転手への運行時間の指示と主要停留所での発車時刻の案内が行われている.(参考文献:西村幸格・服部重敬著,「都市と路面公共交通」,学芸出版社,2000)

トラム(路面電車)の概要
路線延長 系統数 運行間隔 旅客数(1997年)
138km 17 5-9分 128.7百万人

(出典:西村幸格・服部重敬著,「都市と路面公共交通」,学芸出版社,2000)

アムステルダム中央駅前のトラム

軌道と歩道は柵などで区切られておらず,触ろうと思えば車体に触ることができる.写真は,信号待ちで停止していたトラムから運転手が降りてきて,故障した(?)ポイントを左手に持っている棒みたいなもので手動で動かして運転席に戻っているところ.

中央駅前のトラム光景

中央駅の乗り場は,駅の出口を出たすぐのところにあって,歩道橋などでホームを移動するのではなく,ひょこっと線路をまたいで隣のホームに行くことができる.トラムの車両も低床式のものが導入されているので,苦労することなく楽に乗降することが可能なユニバーサルデザインの思想となっている.なお,右下の写真はトラムではなくてバスであるが,連接式の車体の長いバスとなっていて珍しかったので撮ってみた.

国立ゴッホ美術館付近(Van Baerlestraat)

 

車道中央にある専用軌道の上を走っていく区間.電車にしては加速減速の能力が高くて,結構運転が荒く感じるが,これくらいの加速性能がないとトロトロしていて,路面電車としての機敏性が発揮されないかも知れない.

トラムの車内と1日乗車券

最新の車両(5両編成)の場合は,電光掲示板の停留所案内なども付けられていて,すっきりとしたデザインとなっている.車両のタイプによって乗り降りの仕方が違っていて,最新式の車両の場合は後ろから2両目に車掌さんが乗っているので,そこからしか乗車することができず,そこで運賃を払ったり回数券に刻印を打ってもらったりする.

旧式の場合(3両編成)は,どこからでも乗り降り自由で,車内にある黄色い刻印機に切符や回数券を通して,日付と時間を刻印して乗車することになる(つまり,これが信用乗車というやつ).ただし,車内検札がたまにあって,このときに無賃乗車をしていると容赦なく罰則金(約40ユーロ)がとられるとのこと.無賃乗車などが多いので,1994年より順次車掌を乗務させるようになってきたとのこと.

チケットは1ゾーンで1.6ユーロ(旧市街地のセントラル地区はほとんどこれでOK)で,1時間以内であれば何度でも乗り降り自由となっている.1日乗車券は6.3ユーロでトラム・地下鉄・バスに乗り降り自由.最初の乗車時に刻印が必要で,刻印時から24時間有効となるので,正確には24時間有効乗車券といったところだろうか.

旧市街地の密集地でもスイスイ走るトラム(Leidse straat)

建物が密集している旧市街地でもトラムはスイスイ走っている.ここはライツェ通り.両側には商店街が建ち並び,人々で賑わっている地区である.

商業空間に溶け込んでいるトラム(Leidse straat)【トランジットモール】

ライツェ(Leidse)通りでは,トラムが走っていないと左の写真のように人や自転車が普通に歩くことの出来る道路となっているが,トラムが鐘を鳴らしながらやってくると,スーッと人々は避けてトラムが走り去ってゆく.本数は結構多くて2~3分間隔でやってくるが,柵などの区分けもなくアムステルダムの人々が,さも当たり前のような顔をしてよけるので,人々と商業空間とトラムとが暗黙のルールの中で共存できているのだなと感じた.

この区間では,建物が迫っているので単線区間となっており,運河の上にかけられた橋の上の停留所だとすれ違うための空間が確保できるからなのか,そこで上下線のすれ違いを行うようになっていた(下図).

どうやって次から次へとやってくるトラムのポイント切り替えや操作を行っているのか疑問になって,よーく線路を観察してみた.その答えが下の写真である.

つまり,ポイントがないのである.単線区間ではレールが4本(通常は2本)敷いてあり,同じ区間なのであるが上りと下りのトラムは平行に敷かれた違うレールの上を走っているのである(ガントレット構造).さすがヨーロッパ!と感動してしまった.ちなみに,ライツェ通りを走るトラムの系統番号は「1」・「2」・「5」番である.

鐘を鳴らしながら走るトラム

アムステルダムのトラムは,発車するときや信号が青になって動き出すときには,たいてい警笛を鳴らしている.この警笛の音色が「鐘」の音なのである.いたるところのトラムから鐘の音が聞こえてくるのである.あじけない無機質な,いかにも「危ない!どけ!」と叫んでいるかのような暴力的な警笛ではなく,教会から聞こえてくる鐘と同じ音色をトラムに付けることによって,歴史との連続性を持たせ,「トラムが通ります!ちょっとだけどいてくださいね」と優しく促しているように感じる.アムステルダムでは音もサスティナブルなのである.

街中あちこちから鐘が鳴り響く街の風景は,空間すべてに配慮しているアムステルダムに,より一層の感動を覚えさせられるものであった.

MOV00003(動画リンク)

最初に写っているトラムは,すれ違いの為に停留所で停車している.
反対側から鐘を鳴らしてやってきたトラムが停留所に入ると,
線路があいたので,出発して単線区間を鐘を鳴らしながら走り去っていく.

発車時刻を表示する案内板

トラムの全車両には車両の位置が検知できる装置が設置されており,主要な停留所では写真のような系統番号と発車時刻を知らせる案内板がついている.

ダム広場を走るトラム

新しいタイプのトラムは5両編成となっている.写真ではわからないのだが,よく見ていると全部の車両に車輪がついているわけではない.車両の長さを短くして車輪の数を少なくすることによって,狭いカーブのきつい区間でもスイスイ走ることができるようになっており,旧市街地の狭い地域を大量に輸送したい場合の知恵である.

旧タイプのトラム
昔は黄色や赤や広告などに塗られていて,
カラフルな時代もあった .

タリスでブリュッセルへ[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記4]

高速列車「タリス」 ~アムステルダム駅

タリス(Thalys)とは,フランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ高速列車で,フランスで開発されたTGVを基本としている超特急列車である.日本で言うところの新幹線である.日本で新幹線が開発(1964年に開業)されてから,ヨーロッパの鉄道王国を誇っていたフランスでは,高速列車の開発が行われるようになり,TGVが初めて開通したのが1981年であった.

現在の高速列車を大別すると,フランス国内を拠点としてネットワークの広がる「TGV」,パリ・ブリュッセル・アムステルダム・ケルンを結ぶ「タリス」,パリ・ブリュッセルとロンドンをユーロトンネルで結ぶ「ユーロスター」,ドイツ国内を走る「ICE」,スペインの「AVE」などがある.

タリスの最高時速は300km/hで,現時点ではフランスTGVとドイツICEとJR西日本新幹線と同じ最高速度となっているが,どの国でも最高時速のアップを目指して鋭意開発中で,いずれ最高速度は更新されていくことになる.ただ,アムステルダムとブリュッセルの区間ではあまりスピードを出している感じはせず,時間も多くかかっていたので,恐らく最高速で走るのはパリ-アムステルダム間であるように感じる.

タリスは1996年1月より運転を開始し,6月にアムステルダムまで延長され,1997年12月にケルンまで運転区間が延長された.

チケット

アムステルダム(オランダ)からブリュッセル(ベルギー)へ,高速列車「タリス」で移動した.ヨーロッパに来たからには,鉄道技術発祥の地である鉄道に乗らないわけにはいかない.(ちなみに,2日後のブリュッセルからパリまでの移動にも同様にタリスで移動した.)

チケットは旅行出発前に旅行代理店のインターネット販売で購入した.せっかくなので,リッチに1等車を予約して優雅な鉄道旅行を楽しんだ.チケット表記の[COACH]とは号車番号のことで,[SEAT NUMBERH]が座席番号のこと.ヨーロッパの駅には改札口がないので,車内の検札でこのチケットを見せることになる.ちなみに,これは国境をまたぐ国際列車なのであるが,パスポートチェックは一切なし,隣の国へ移動しているのに,隣の「県」に移動しているような感覚でEU内は移動できるのであった.

1等車の車内

1等車は2列+1列の3列シートとなっている.そして,真ん中当たりではシートが向かい合わせになってテーブルが置かれており,4人や2人のグループで向かい合わせで座れるようにもなっている.新幹線と決定的に違うのは,全ての椅子が回転しないこと.つまり車両の中央を境に椅子の方向が2方向に分かれていて,半分の人は逆向きに座って移動することになっているのである.日本の新幹線でも初期の頃の3人がけシートは回転できない椅子であったが,今では背もたれリクライニング部を直角にすることによって3人がけのシートでさえも回転できるようにしており,このあたりは日本人の器用で緻密な技術に感心する.

乗り心地は非常に静かである.TGV方式では電気機関車を両端の車両につなげて運転しているので,客車の部分は非常に静かとなっている.

デッキ部分

入口のデッキには,新聞・雑誌や車内誌が置いてあって,自由に見ることができる.

アムステルダム-ブリュッセル間の昼食
ブリュッセル-パリ間の朝食

1等に乗ると食事と飲み物のサービスがある.食事が出されるのは朝食と昼食時間帯に運転されている列車のみで,それ以外ではスナックと飲み物がだされるらしいが,同じ料金だったらせっかくなので食事をしたいなと思い,日本で予約をするときに時刻表を見ていて,食事マークが付いている列車をあえて選んで予約をとった.飛行機の機内食のような感じで,パンはお代わりもできる.

車内の客室係の女性は日本語が堪能な人も乗っていたので,日本人観光客に対しても快適に旅行ができるように配慮しているなと感じた.最初に「Can you speak english?」と笑顔で聞かれたので,「A little」と笑顔で答えたら,優しい英単語でサービスをしてくれた.

車内サービスといえば,「タクシーの予約が必要ですか?」といった案内もあった.はじめは入国カードの記入かと思ったが,パスポートコントロールは全くなく,到着駅でのタクシー手配の案内であった.

世界の車窓から

アムステルダムからブリュッセルに向かう途中に,ロッテルダムという都市があった.ここの車窓は今まで見てきた石造りの古い建物の街並みではなく,日本でも見慣れている近代的な高層ビルが建ち並ぶ風景が広がっていた.ロッテルダムはオランダの中でも工業が盛んな都市で,街も近代化が進んでいるということらしい.ヨーロッパでも,新しい街では,鉄とガラスとコンクリートの近代建築が見られるのである.

右の写真は,2日後のブリュッセルからパリに向かうときの風景.広い畑が広がる農村風景の中を,時速300km/hで疾走するのであった.

ブリュッセル駅

ブリュッセル(ベルギー)駅に到着した.近代的で綺麗な建物であった.

ブリュッセル・街の風景1[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記5]

ブリュッセルの街並み

ブリュッセルも歴史ある都市で,中心部は石畳の道に重厚な建物がびっしりと建てられている.どこが違うのかと言われるとちょっと困るのであるが,アムステルダムとはまた違った建物の雰囲気であることが感じられる.

グランプラス

グランプラスは観光客なら一度は訪れる場所であろう.グランプラス周辺はおみやげ物屋やレストランなどが建ち並んでおり,ぶらぶら歩いているだけでも時間は過ぎてゆく.
グランプラスはギルドハウスに囲まれた広場で,広さは約110×約70mとなっている.15~16世紀にかけてギルド(組合)ハウスが木造で建てられたが,1695年にフランス王ルイ14世の命を受けた軍によって攻撃され市庁舎以外は破壊されてしまった.その後,1699年には石造りの建物が再建されて現在のような姿になったという.
とにかくぐるりと取り囲むように建てられた建物は圧巻であり,オープンカフェに入って歴史をひもときながら,じっくりと空間の雰囲気を堪能したい広場であった.

地下を走る路面電車(プレメトロ)

ブリュッセルには珍しいトラムが走っている.地下を走る路面電車である.郊外に行くと路面電車となるのであるが,都心部では地下鉄となって走るので,プレメトロと呼ばれている.
チケットは1回券1.5ユーロとなっているが,グランプラスの観光案内所ではトラム・バス・メトロに乗れる1日乗車券を3.8ユーロで買うことができるので,それを使うと大変お得であるし乗りやすい.写真右側が1日乗車券であるが,乗車時に刻印機に通すと裏面にデータが印字されて乗車できるしくみとなっている.

街中を走るトラム

ブリュッセルでもトラムは重要な公共交通となっている.道路中央部にトラムが走って車はその脇を走っていることが多い.停留所から乗客が乗るときは,車道を横切らなければならないので危険ではないのかなと疑問に思って撮影したのが右側の写真である.つまり,停留所からトラムに乗るときは,停留所手前に引かれている停止白線で乗用車は停止するようになっており,安全に人が乗降できるしくみになっている.「仕組み」というよりは,昔から走っているトラムのルールに関して,ベルギー市民のドライバーにそのような意識がすり込まれているといっていいのかもしれない.

ベルギーのビアホール

ベルギーと言えば「ビール」である.約800種類の銘柄があると言われ,街中にあるオープンカフェでは色々な種類のベルギービールを味わうことができる.製法が違うビールがいくつもあり,日本で味わっているものとはひと味もふた味も違ったテイストを味わうことができる.

メニューを見ても,どのビールがどんな味なのかわからないので,とりあえず適当に頼んでみた.料理は「スカンジナビアなんとやら」と書いてあったものを選んで頼んでみた.そして出てきたのが写真のとおり.ビールは度数の強い「いかにもお酒」といった味わいの濃いビールで,日本人に合うかどうかは微妙なところ.料理は,サーモンとニシンと生ハムがレタスの上にのっているものであり,これはGOOD.

このようなオープンカフェでの精算の仕方は,注文された品を出すとウエイターがレシートを持ってきて机の上に置き,そこにお金を置いておくとしばらくして取りに来るという,その都度お金を精算するしくみ(キャッシュ・オン・デリバリー)であった.銀座でもこのような精算のしくみをやっている店に入ったことがあったが,今思うと「これを日本でも真似ていたんだな」と思った.

ブリュッセル・街の風景2[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記6]

オープンカフェと路地裏(イロ・サクレ地区)

 グランプラス周辺の路地にはたくさんの飲食店が並んでおり,夜になると大変賑やかになる.写真は午前10時頃の様子であり,まだ準備中であったが,路地裏のオープンテーブルでベルギービールを片手に舌鼓を打つのも悪くはない.なお,観光名所でもあるのでぼったくりの被害が出ているとのことで,店選びは注意をすること.

いたるところに噴水が・・・

ブリュッセルを歩いていると,噴水が道路のコーナーなどに多く設けられていることに気づく.小便小僧は有名であるが,それ以外にもなかなかユニークな発想の噴水が多い.なんで口から水をはき出しているのか???

喫茶店にて

ベルギーといえば「チョコレート」でもある.歩き疲れたので喫茶店に入ってドリンク(ミルクティー)を注文したところ,ゴディバの四角いチョコレートがついてきた.名古屋の喫茶店に入るとコーヒーの他にピーナツが出てくるというが,それと同じこと.他のドリンクとして「ホットチョコレート」もあった.さすがはベルギー.

チョコレートの噴水

もうひとつチョコレートの話題.ウインドー越にチョコレートの噴水を発見した!写真ではわからないが,このチョコレートはトロトロと流れているのである.チョコレート専門店のフィリップマーチンのチョコ噴水であった.おいしそう.

オープンバスで観光

雨が降ってきたこともあり,また街の中をコンパクトに見て回りたかったので,オープンツアーのバスに乗ってぐるりと車窓から観光することにした.オープンバスといっても雨が降っているので,天井にはビニールの幌がかけられていたが.

ツアーバスは1人16ユーロで乗車時刻から24時間有効となっている.つまり午後3時から乗った場合は,明日の午後3時まで有効ということ.合理的で良心的な設定である.バスは30分間隔で13の停留所を循環運行しているので,降りたいところで自由に降りて観光し,再びバスに乗って元の場所に戻ることが出来る.

また,8カ国語対応の観光案内ガイドがついているので,車内でイヤホンをつなげてチャンネルを合わせれば,日本語ガイドを聞きながら観光をすることができる.チケットは観光案内所で購入可能.

近代的な街並み

ブリュッセル北駅周辺にはワールドトレードセンターが建ち,石造りの重厚な建物が密集する市街地中心部とはまた違った風景を見せている.こちらの空間の方が,日本では見慣れている風景であり,近代的なビル群が建ち並んでいる.
ブリュッセルはEU本部のある「ヨーロッパの首都」であり,歴史ある街並みと新たなEU連合に向けた新しい街並みが共存していく都市である.

オープンバスでパリ観光[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記7]

ブリュッセルからパリまでは,再び超特急タリスに乗って移動し,パリには午前11時頃到着した.実は,今夜19時発の飛行機で日本に出発する予定となっており,パリでの滞在時間はあまりなかった.16時頃にはシャルルドゴール空港に向かわなければならなかった.実質5時間程度である.

時間がないときに,街中をコンパクトに見て回りたいときは,東京で言う「はとバス」などの定期観光バス(ツアーバス)に参加すると手っ取り早い.世界各国から観光客がやってくる大都市・パリ,ブリュッセルの時のように停留所を設けて観光用のオープン式の循環バスを走らせており,ノード駅構内にあるインフォメーションセンターのツアーデスクでチケットを購入し,オープンバスでパリ市内を観光することにした.

インフォメーションセンター

パリ・ノード駅構内にあるインフォメーションデスク.オープンツアーバスの1日乗車券を購入した.現金精算はできず,カードのみの決済となっている.後日,カード会社よりユーロを日本円に換算した値段で請求がきた.右側がチケットとなっており,最初に乗車するときにドライバーがボールペンで日付を記入し,ガイド用のイヤホンを渡される.1日1人25ユーロ.

オープンツアーバスのルートマップ

さすがは世界各国から観光客の訪問する大都市パリのオープンツアーバスは大変便利で使い勝手がよい.荷物をノード駅のコインロッカーに預けたのと,シャルルドゴール空港へ向かう電車はノード駅から出発するので,いずれにせよ同じ駅に戻ってこなければならない.ツアーバスは4ルートの循環路線(一方向運行)で構成されており,ノード駅は右上の☆印のところなので,まずは黄色いルートのバスに乗って中心部まで行く.主要な観光地を巡るのは緑色のルートなので,緑色のルートに乗り換えてぐるりと1周し,再び黄色のバスに乗って同じ駅に戻ってくるのである.だいたい4時間で戻ってこれる予定である.バスは15分から30分間隔で走っており,何処でも自由に乗り降りできる.

統一されたスカイライン

パリの建物のスカイラインは統一されている.1860~70年にかけてオスマン知事により,パリは大規模な都市計画による改造が行われた.広幅員による直線道路,広場の整備など,現在の都市の基盤が造られたのである.

緑の街路樹が美しい

緑の街路樹がまた美しいパリ市内であった.

セーヌ川

世界各国からの観光客で賑わっているセーヌ川畔.

コンコルド広場と凱旋門

天気も良くてオープンバスから眺めるパリ市内はすがすがしかった.シャンゼリゼ通りを走ると正面に凱旋門が見えてきた.

シャンゼリゼ通りを360度

MOV00466(動画)

エッフェル塔

どこかのCMで見たことのあるフレーム.これからバスは,エッフェル塔の真下を通っていく.

快走するバス

モンマルトルへ向け,狭い坂道を登っていく.

モンマルトル

黄色いルートはモンマルトルを走る.怪しいネオンもちらほら見られるモンマルトル.夜は賑やかになるという.画家が多く住み込んでいた下町的な地域である.

電車でシャルルドゴール空港へ

再びノード駅に戻ってきて,シャルルドゴール空港へ向かうRERのB線に乗った.ノード駅から空港まで8ユーロで約30分である.なお,シャルルドゴール空港はとても広く,隣のターミナルがだいぶ離れているので,自分の搭乗する航空会社がどのターミナルのどのゲートから出発するのか,調べてから向かう方がよい.同じターミナル番号でもさらにA・B・Cで分けられていて,バスで移動しなければならないことがあるので注意.

おもしろエレベーター[アムステルダム&ブリュッセル+パリの旅行記8]

古い建物が多く建っているヨーロッパには,珍しいエレベーターが結構沢山残っている.今回の旅行の中で目にした珍しいエレベータを紹介する.

ビクトリアホテル  【アムステルダム】

このエレベーターはアムステルダムで宿泊したビクトリアホテルの低層階用のエレベーター.油圧式でゆっくりと動くもので,ロビー(1階)から3階までのエレベーター.扉やかごの外側がほぼ全面ガラス張りとなっていて,枠の部分のみがスチールとなっており,デザイン的にもすっきりとしている.

エレベータの中からとった写真.扉がほぼガラスなので,外の様子がよく見える.

オランダ国立博物館  【アムステルダム】

国立博物館のエレベーター.こちらもガラスが基調となったデザインであるが,円形の丸い形をしているところが面白い.車いすの人などが多く利用していた.

「とある」美術館  【アムステルダム】

「とある」美術館のエレベーター.このエレベーターは乗客が扉を手で引いて手動で開けるもので,エレベーターがきて止まったことをガラス部分で確認したら,観音式の扉を手で引いて開けて中に入るのである.さらに,内側(かご側)には扉がついていないので,エレベーターに乗っているときは,動いている壁に手で触ることができる(あえてそんなことをする人はいないが).ある意味,安全管理に自己責任が要求されるエレベーターである.子供と乗るときはちょっと怖い.

メトロポールホテル  【ブリュッセル】

ブリュッセルのメトロポールホテルのエレベーター.OTIS社製である.エレベーターの籠は,周囲との空間の区切りがなくて,極端なことを言うと手を伸ばせば籠に触ることができ,扉の柵から顔を出して下を覗けば(かなり危険なので実際はやらないほうがよい.右の写真は手だけを伸ばして撮影した)ロープに吊られた籠を見ることができる.そして扉は,玄関の門のような柵扉を手で引いて開けるというもの.こんなエレベーターは日本ではまずお目にかかることはできず,このホテルには他に普通のエレベーターも存在していたが,あえてこのエレベーターに何度も乗ってしまった.

これが手動式のホール側の扉.エレベーターがやってきて停止すると,ロックが自動的に解除されてドアノブを引くと扉が開くようになる.

かご側の扉も手動式であるが,こちらはアコーディオンの引き戸タイプとなっている.ホール側の扉も,がご側の扉も,非常に重い扉なので,思いっきり力を入れて開けないといけない.

エレベーターが動いているときのかご内から撮影した写真(左)と,最上階のエレベーターホール(右).一見するとエレベーターが止まるホールだとは思えない空間である.

成田空港第2ターミナル 【日本】

実はこれも分類上は「エレベーター」なのである.OTIS社製.日本で唯一の水平に走るエレベーターで,成田空港第2ターミナルの本館とサテライトを結ぶシャトル線である.しかし,水平エレベーターといってもケーブルカーのようにロープで牽引されているわけでもなく,見た目はゴムタイヤで走る新交通システムと同じようである.唯一,エレベーターだなと思わせるのは,出発するフロアー側の扉がエレベーターのような雰囲気の造り(というか意匠)になっていることと,かごの扉の下に「OTIS」と書かれたプレートが張ってある(他のエレベーターも扉下にはメーカーのプレートが張ってあるものが多い)点である.