スタートまで[阿武隈川カヌー駅伝大会物語1]

福島県中通りを流れる阿武隈川.西白河郡西郷村を源流として白河市・郡山市・福島市と福島県内を縦断し,宮城県の亘理町で太平洋にそそいでいる.「川に親しみ,川との触れ合いを通して自然のすばらしさや大切さを改めて再発見し,阿武隈川の舟運の歴史を偲び巡りながら,上流から下流までの人々の交流の輪を広げる夢を託す」という趣旨で,第1回阿武隈川カヌー駅伝大会が開催された.(主催:阿武隈川サミット実行委員会(事務局:福島市役所))
スタート地点は福島県福島市のわたり水辺の楽校と呼ばれる河川敷,約5~12kmごとに設けられた8つの中継地点でタスキをつなぎ,宮城県亘理町の船着場まで74.9kmの区間を2日間に渡ってタイムを競う大会である.全国的にもカヌーの駅伝大会は珍しいという.
参加チームは各沿川市町村の住民などで構成された16チームあり,我々も「チーム山土(やまど)」というチーム名で参加することになった.(私はサポート隊で車の提供とドライバー,そして取材広報!?(つまりHP作成)という役目を担った)
無事,ゴールまでたどり着けるのか!物語の始まりです.

撮影日:2007(平成19)年9月29日~30日開催


1.プロローグ

それは,携帯電話への一通のメールから始まった.
---
日付:2007,07,23
件名:協力依頼m(_ _)m
内容:お願いがあります.・・・9/29,30の土日に第1回阿武隈川カヌー駅伝(県庁前~河口)があります.1チーム最低7名が必要となります・・・初心者でも全然OKです!選手じゃなくて,サポートでもOKです! 皆様のご協力をお待ちしております.
---
メールの送信者はカヌーやラフティングの経験のあるI氏だった.メンバーに一斉送信をしているらしい.このI氏からは度々週末のお誘いメールが来ており,本当ならば断るときもきちっと返信するべきだが,10年前の職場からつきあいの続いているメンバーの一人であり,気心の知れた仲間でもあり,「また,いつものお誘いメールか.ほっとけばそのままお流れになるだろう!」と感じ,そのままほったらかしにしておいた.
そして,その1週間後,再びメールが入った.
---
日付:2007,07,29
件名:お願いですm(_ _)m
内容:BANCHANさん,9/29,30のカヌー駅伝ご協力頂けないでしょうかm(_ _)m カヌーには乗らないで結構です.車回し等の応援をお願いしたいのですが・・・お願いですm(_ _)m
今のところ,F氏,G氏,E氏,N氏と私(I氏)の5名です.あと2名必要なのですが・・・BANCHANさんとN氏の友人のT氏にお願い出来ればと思っております.
---
m(_ _)mマークが3つも入っていた.そしていつになく丁重な文面.どうやらこれは本気らしい.サポート隊として車の提供とドライバー,そしてメンバーの写真を撮影する広報担当として,私も阿武隈川カヌー駅伝大会にエントリーすることになった.

2.練習を経ていよいよ当日

今回のカヌー大会は,プロの競技というよりは,全くカヌーを経験したことのない人も対象としている.そのため,未経験者には事前に1日間の練習を行ってから参加することとなっている.練習は,スタート地点から第1区間の手前までの区間で行った.
カヌーには3人乗り込んで,パドルと呼ばれる水を掻くための漕ぎ棒を持つ.パドルは水を掻くブレードが1つだけついたシングルパドルを使用する.一番後ろの人は「舵取り」といって,カヌーの方向性を掌る役割もあって,それぞれがバランスよく漕いでいくことが求められている.練習はなんとかこなし,本番の当日を迎えることとなった.

福島県庁を背景にスタートを待つカヌー達

大会参加の受付テント

漕ぐための道具・パドル シングルタイプ

盛り上げグッズ・鳴り物の「笛」

いよいよ大会当日,秋晴れとなった.気温も暖かく,絶好のカヌー日和である.我々チーム山土のメンバーは,土休日は無料開放される福島県庁前駐車場に一旦集合し,移動車に乗り換えて,スタート地点である「わたり水辺の楽校」へ向かった.
受付を済ませたあと,貸与されるパドル,ライフジャケット,そしてなぜか応援グッズである鳴り物の「笛」も手渡され,出発への準備を進めた.
さて,当日集まった7人のチーム山土(やまど)のメンバー達.かつての職場で苦楽を共にした若者(当時)集団であり,私が最年長の部類に属している.集合時間は朝8時とあって,みんな目が充血しており,顔が青白く,冴えてない様子.はっきり言って,全然気持ちが盛り上がっていなかった.
「結局,誰も参加者がいなくて,お流れになると思っていたのに~」
「俺なんか,名前貸してくれって言われただけなのに,こんなことになっちまったよ~」
「残業続きで,大会に参加する体力がないんだけど・・・・・」
みなさん,ブーブーのご様子.カヌー経験者は,チームリーダーのI氏のみ.彼だけは,朝からテンション高く張り切っていた.それでも,これだけ正直に意見が言い合えるのも,気を遣わなくていい気心の知れた仲間という証.何だかんだ言っても,ジャージに着替えて現地までやってくるのだから,チームメイトとはありがたい,ありがたい(I氏に代わって代弁).

さて,競技について簡単に説明すると,カナディアンカヌーを3人一組で漕ぎ,駅伝方式でタイムを競うタイムトライアルレースである.1日目は福島市の「わたり水辺の楽校」をスタートし,途中の中継地点で駅伝形式のリレーを行って,2日目の亘理船着場を最終ゴールとするものである.駅伝形式といっても,途中の中継点では一旦カヌーを陸に揚げて全艇一斉再スタート方式を採用し,タイムを集計していき最も少なかったチームが優勝ということになる.
中継地点は全部で8カ所,合計9区間あり,1日目は宮城県角田市の角田船着場までの6区間,2日目は角田から亘理までの3区間となっている.1区間あたりの距離は5.1km~12.5km,1時間から1時間半程度となっている.リレーのタスキとして,ペットボトルに入った「阿武隈川源流(福島県西郷村)の水」を河口まで繋いで運んでいく.

参加チーム数は全16チームである.チーム名を紹介する.

①西郷・白河源流チーム ②玉川カヌークラブ ③買いましたカヌーチーム ④チーム大玉 ⑤アウトドア倶楽部 ⑥安達ファイヤーズ ⑦UFOの里飯野町 ⑧阿武隈OYAG’Z ⑨チーム山土(やまど) ⑩福島市役所R&Sスポーツ同好会 ⑪CITY.伊達 ⑫Team SHIBATA ⑬亘理町 ⑭がんばろう仙台 ⑮Team南 ⑯ふぐすま転覆隊

それぞれ個性的なネーミングで面白い.沿線の住民や自治体関係者,大学の学生チームなど,多彩な顔ぶれとなっている.

プラカード

タスキとなる「阿武隈川源流の水」

スタート間近 コースの最終確認

チームリーダーより連絡事項

スタート前の写真 みんないい笑顔が見られます
(悪いことはしていませんが,プライバシー保護のため目隠しをしています)

3.開会式とスタート

さて,開会式となった.福島市長や国土交通省,福島県など来賓からの挨拶が続き,そして各チームの紹介となった.司会者から順番にチーム名などが紹介されていき,いよいよ9番目,我々の番となった.

「続きまして,チーム山土(やまど)です.・・・・正直言って,このチーム名,何が言いたいのか分からない名前なのですが,とにかく,かつて職場が一緒だったメンバーだとのことで,福島市からの参加となっています.皆さん独身だそうで,優勝した暁には独身貴族を卒業することを誓うとのことです.」

司会者から痛烈なパンチ! 確かに,「山土(やまど)」という名前,分かる人にしか分からないチーム名である.これはかつての職場の略称なのである.世間的にはとりあえず,山と土とを愛する自然派集団ということにでもしておこう.

開会式 福島市長ごあいさつ

タスキの授与(河口まで繋げるか?)

まもなくスタート! 競技者全員集合

第1競技班 いよいよカヌーに乗り込む

いよいよスタートの時がやってきた.スタートの合図は,いつの間にか国道4号線の大仏(おさらぎ)橋に移動していた福島市長が,白い旗を振ったらスタートとなる.全16艇,緊張の一瞬である.太平洋の河口に向かって,阿武隈川カヌー大会の始まりである.
そして,スタートの旗が振られ,全艇一斉スタートをきった.チーム山土はゼッケン9番,無事にゴールまでたどり着けるのか.

あとは合図を待つのみ

大仏橋から市長が合図を送る

スタート直後  チーム山土は左に傾いているような・・・!?

スタート→県境手前[阿武隈川カヌー駅伝大会物語2]

スタート:渡利水辺の楽校(県庁裏)⇒①第1中継地点:瀬上河岸(福島市)⇒②第2中継地点:伊達崎河岸(桑折町)⇒③第3中継地点:中田河岸(伊達市)

4.第1中継地点(瀬上河岸)まで

スタート地点を出発したカヌーは,緩やかに流れる阿武隈川を,第1中継地点である瀬上(せのうえ)に向けて下っていた.途中,橋の上からポツポツとやってくるカヌーを見ることができ,カヌーに向けて応援をする市民達が集まっていた.第1中継地点までは8.3km,約1時間のタイム予想となっている.そして,第1中継地点にはカヌーが続々とやってきてゴールとなった.

チーム山土第1班,順位は第9位,タイムは57分.全16チームなので思ったよりも好成績.
「めっちゃ疲れる! 漕ぐ手を休めることができないよ~」
「カメラで景色を撮っている余裕なんて全然ない!」
とのこと.約1時間もパドルで漕ぎっぱなしなのだから,体力的には相当きつい.カヌー競技者の顔色が力を出し切った表情となっていた.チーム山土は2班体制で1区間ごとに交代していって本日の全6区間を制覇するチーム編成としており,ゴールした第1班はあと2区間漕がなければならなかった.
漕ぎ手を第2班へと交代し,第2中継所へ向けて,再スタートをきっていった.

橋の欄干から見たカヌー

第1中継地点(瀬上)
岩がゴツゴツと露出している箇所である

再スタート地点に行くまでは,長靴などが必要

再スタートとなって,第2中継地点へ向かう

5.第2中継地点(伊達崎河岸)まで

第2中継地点は小石の広がる河原であった.続々とカヌーがゴールしていたが,チーム山土は後ろのほうらしい.到着したときは皆息切れしており,ゆったりと周りの風景を楽しんで眺めながら阿武隈川をカヌーでくだるというのではなく,タイムを競う駅伝大会なのである.
ゴールしたカヌーは,漕いでいるときに入り込んだ水で濡れており,競技者のユニフォームもびしょ濡れとなっている.カヌーをひっくり返して水を出し,再び次の区間に向けて,スタート地点までカヌーを運んでいく.
第2中継地点では,1回漕ぎ終わったメンバーが一同に会して,漕いでみた感想を語り合っていた.途中のコンビニで買った滋養強壮に効果のある「リポビタンD」を差し入れて,次の区間に向けて体力を保っていた.1回目の感想としては「思ったよりもきついねぇ~」という言葉が一番最初に出てきた.「川を眺めている余裕なんてないよ!」 これも素直な感想であろう.
そして,第1班に再びタスキを渡して,第2中継地点を再スタートした.スタート直後の「チーム山土」はというと・・・・.状況は下の写真で.

第2中継地点(伊達崎)は小石の広がる河原

続々とゴールするカヌー達
(チーム山土は遙か後ろのほう!)

ゴールしたチーム山土第2班
「疲れた~」といった感じで息が切れている

カヌーの中には水が入ってびしょ濡れ
ひっくり返して水を出してから再スタートとなる

1回漕いでみて,感想を語り合うメンバー
リポビタンDを飲んでファイト一発!

スタートの模様を動画でMOV00109

第2中継地点スタート直後
1艇ひっくり返っている(沈).もしかして・・・

予感は的中! ゼッケン9「チーム山土」だった
頑張れ!

6.第3中継地点(中田河岸)まで

第3中継地点は福島県内で最後のポイントとなる.移動中の選手はというと,体力回復のため?至福の一服の時である.だんだんと丘陵地となっていき,県境に近づいてきているなという風景になる
この区間のチーム山土のタイムは,最初の沈(カヌーがひっくりかえって沈むことを「ちん(沈)」と言っている.2艘ひっくりかえれば「ちんちん」ということか?)がタイムに大きく影響し,堂々の16位.スタート時のカヌーの並びは,前区間の到着した順番となっており,一番上流側(つまり最下位)からのスタートとなる.

陸上移動時 「至福の一服!」
もちろん吸い殻は携帯灰皿へ捨ててます

第3中継地点(中田)は茂みの中を歩いて河岸へ

看板を超えたらゴール

チーム山土第1班ゴール

ひっくり返して水を出す

前区間の到着した順に並べてスタート
チーム山土は一番手前.手前が上流.ということは・・

7.いよいよ県境に向けてスタート

第3中継地点(中田・福島県伊達市)から第4中継地点(大張・宮城県丸森町)までは,このカヌー大会で最大の難所とされている県境越えの区間となる.いままでの田畑が広がる田園地帯から,緑の山が屹立と迫るあぶくま渓谷となるので,風景としては最高なのであるが,流れとして捉えると,岩の露出があり,流れの速い瀬があり,馬洗滝・猿羽根滝・野呂滝といった流れの速いせせらぎがあったりと,上級者にとっては張り合いのある面白いコースであるが,初心者にとっては難しいコースとなる.
共催となっているリバーズネット阿武隈のかたから,第4中継地点までの選手を集めて,コースやひっくり返ったときの注意点などについて説明があった.もちろんひっくり返ってもすぐに救助できるように,モーターの付いたボートも併走しているのであるが,川に落ちたときは乗っていたカヌーにつかまるようにとのことであった.このリバーズネット阿武隈のかたのアドバイスは,選手にとって心強いものがある.未知の区間への不安と緊張感を胸に抱えて,県境越えの阿武隈川へ16艇一斉に再スタートをきった.

次の第4中継所までは,難所の県境越え.
リバーズネット阿武隈の担当のかたからコース概況などの注意点について説明を受ける

難所の県境へ向けて,スタートをきっていった.

県境→1日目ゴール・角田市[阿武隈川カヌー駅伝大会物語3]

③第3中継地点:中田河岸(伊達市)⇒(県境 福島県→宮城県)⇒④第4中継地点:大張(丸森町)⇒⑤第5中継地点:丸森船着場(丸森町)⇒⑥第6中継地点:角田船着場(角田市)

8.第4中継地点(大張)まで

このカヌー大会で最大の難所とされている県境越えの区間である.沿道の道路から阿武隈川を見てみると,どのチームも苦戦していた.急な流れによって次々と「沈」しているのである.いままでの田畑が広がる田園地帯から,緑の山が屹立と迫るあぶくま渓谷となるので,風景としては最高なのであるが,流れとして捉えると,岩の露出があり,流れの速い瀬があり,馬洗滝・猿羽根滝・野呂滝といった流れの速いせせらぎがあったりと,初心者にとってはやはり難しい.半分以上のカヌーがこの区間で「沈」したということである.あまりにも流れが速いところや浅瀬となっているところは,カヌーでの通過を禁止し,急遽陸上(河岸)をカヌーを持ちながら歩いて移動していた.
この渓谷を抜けると,流れは緩やかとなって,第4中継地点に到着となる.次の中継地点の再スタート予定時刻は14時30分であったが,時間になっても1艇も到着しなかった.それだけ難所の区間なのであった.最初のカヌーが現れると,河岸で待っていたギャラリーは大きな声で声援を送った.そして,大きな拍手で選手達をねぎらっていた.既に15時を回っており,前(第3)中継地点の再スタートが13時だったので,2時間以上カヌーとともに戦っていたことになる.

矢印のところに「沈」して流されているカヌーがいる

救助艇によって救助される

カヌーを持って河岸(陸)を移動する選手達(左から2番目がチーム山土)

漕げる場所まで歩いていくチーム山土

なかなか到着しないカヌーを待つ選手

第4中継地点は山に囲まれたところ

約1時間遅れてカヌーがやってきた.みんな総出で労いの拍手を送る

「がんばれ~ あとちょっとだ~」

やっとゴールしたチーム山土

区間タイム(順位)を見るメンバー.現在12位

時間がおしている.選手を交代し,すぐに再スタートとなって,河口を目指した.

9.第5中継地点(丸森船着場)まで

県境を越えた阿武隈川は,再び緩やかな流れとなっていた.第5中継地点(丸森)からは船着場が整備されており,そこがリレーの中継地点となっている.
チーム山土の成績は現在12位.朝のスタート地点では冴えない顔をしていたメンバーであり,第1・2中継地点での最初の競技を終えたときは疲労困憊の顔つきをしていて,このままゴールまでもつのかと心配していたが,段々と競技に慣れてきたのか2回目の競技を行った後は,みな顔つきが穏やかになっていた.
そして,
「どうやったら早く漕げるのだろう」
「いくら一生懸命漕いでもだめで,3人がリズムを合わせて漕がないと前に進まないよ」
「先頭の人が右側を漕いでいるときは,後ろは左側を漕いで,バランスを保たないとまっすぐ進まない」
「3人のコミュニケーションというか一体感が必要だ」
などといった感想が聞かれるようになっていた.
さあ,第5中継地点で選手交代すれば,本日最後の区間となる.疲労がピークに達しているが,もう一踏ん張りである.

第5中継地点(丸森船着場)

上陸地点を誘導するスタッフ

続々とゴールを目指すカヌー

チーム山土もゴール

第5中継地点での再スタートではちょっとした沈ハプニングがあった.スタート直後のカヌー達は我れ先に本流を目指して漕いでいくのであるが,そのときにあまりにも隣同士が接近していると,カヌー同士が接触して「沈」してしまうことがある.特に,第5中継地点では,コンクリートの岸壁があるために,一旦斜め上流側へ漕いでから下流側へ舵をきってカヌーを進めていくこととなっており,上流側に向かって漕いでいたカヌーがそれぞれの判断で下流へ舵を切ったときに,平行に漕いでいた隣のカヌーと接触して「沈」してしまったのである.
チーム山土はこれに巻き込まれることなかったが,3艇ほどのカヌーが沈をしていた.それでも,救助艇の救助により直ぐに体制をたて直し,ちょっと出遅れたがゴール目指して再び勇壮に漕いでいった.

スタート直後.一旦斜め上流に行ってから下流側に舵をきる

しかし,接触により次々と「沈」

これに巻き込まれなかったカヌー(上側)は,ゴール目指して漕いでいった

救助艇によって体制を立て直す.川は流れているので,放っておくとどんどん流される.

10.1日目のゴール・第6中継地点(角田船着場)

1日目最後の区間は約10kmの区間であった.だんだんと大きくなっていく阿武隈川をひたすら漕いでいく.そして,角田市にある船着場にカヌーが到着するころには,あたりは暗くなりかけていた.
全16艇が無事ゴールをすることができ,それぞれの選手たちが達成したという喜びの笑顔を浮かべていた.今日の区間は全6区間,まだ明日の3区間が残っている.ひとまず,1日目の駅伝レースを完走し,明日のレースへ備えるため,旅館へと向かった.

阿武隈川を漕いでいく

チーム山土のカヌー

1日目のゴール・角田船着場

17時をまわり,あたりが暗くなっていた

投光器を照らし,福島中央テレビの取材クルーもカヌーの到着を待っていた

ゴールしたチーム山土.笑顔が漏れていた.

1日目ゴール直後の「チーム山土」.みんないい笑顔になりました.

駅伝のタスキ(源流の水)もカヌーとともに河口を目指している.

2日目スタート→ゴール[阿武隈川カヌー駅伝大会物語4]

⑥第6中継地点:角田船着場(角田市)⇒⑦第7中継地点:柴田船着場(柴田町)⇒⑧第8中継地点:岩沼船着場(岩沼市)⇒⑨ゴール:亘理船着場(亘理町)

11.2日目がスタート

さて,2日目となった.午前中,あと3区間を制覇すればゴールとなる.昨日の疲れがとれておらず,朝は相変わらずみんな調子が悪そうであった.今日の3区間の距離は,順に12.5km,6.2km,5.1kmとなっていて,河口に行くほど区間距離が短くなっている.ラストの区間は昨日もあわせた全9区間の中で最も短い距離となっている.このため,
「ラストの区間は距離も短いし,ゴールのテープを切れるので,花を持たせるため女性や年配者を選手にするか」
と判断するのは甘い.リバースネット阿武隈の方によると,最後の区間が最も体力的にはきつい区間なのだそうである.つまり,河口に行くにしたがって川の流れは遅くなり,風向きや潮の満ち引きの関係で,場合によっては逆流していることもある区間だとのこと.全力を挙げて漕がないと前に進まない区間なのである.そう考えると,1日目のコースよりも,2日目のコースの方が,より一層漕がなければならず,体力勝負の区間ということである.
2日目も開会式があり,亘理(わたり)町長からの挨拶があって,スタートとなった.スタート直後,本流に向かって漕いでいると思いきや,浅瀬に乗り上げてしまい,カヌーを押して本流に向かっているチームが次々とでていた.

濡れたウエアーを旅館で乾かす.暗闇で見ると陰が不気味.

2日目の朝,調子が悪そう.二日酔いか?

2日目のスタート前にも開会の挨拶があった

準備OK

さぁ,2日目も頑張れ

スタートをきった

と思いきや,みんな浅瀬に乗り上げて,カヌーを降りてジャブジャブ押していた!!

12.第7中継地点(岩沼船着場)まで

宮城県の阿武隈川には船着場が整備されていて,コンクリートで造られている船着場が中継地点となっている.チーム山土は,第7中継地点にゴールする直前,浅瀬に乗り上げてしまい,バランスを崩して川に落ちてしまった.この模様をテレビカメラが捉えており,福島中央テレビの夕方の情報番組「ゴジてれシャトル」で後日放映された特集コーナーで,この模様がばっちり写されていた.

第7中継地点(柴田町)にゴール.2日目は抽選で赤いカヌーとなった.

ファイト!一発!リーダーは本日3区間連続登板!!

柴田船着場から再スタート.チーム山土は一番右.最下位.でも,最下位は2区間のみである.

最下位からのスタートの模様(動画)MOV00277
ギャラリーからは笑い声が聞こえるような・・・「漕げー,漕げー」 思うように真っ直ぐ進まない

本流を目指す

さぁ,次は岩沼だ

13.第8中継地点(岩沼)まで

河口に近づくにつれて,阿武隈川の川幅も大きくなっていた.途中,阿武隈大堰があり,そのままカヌーが通過できないので,堰のところでは一旦カヌーを陸上に上げて,選手は数百メートルを走って移動していた(カヌーは車に乗せて移動させる).
岩沼では工場を背景に,小さなカヌーがゴールを目指して懸命に漕いでいた.チーム山土もゴールに向けて,ただひたすら漕いでいるのであった.カヌー経験者であるチーム山土のリーダーは,皆を巻き込んで参加させた責任をとって(?)か,3区間連続の出場をしていた.中継地点に到着するたびに,リポビタンDを補給し,体力を保っている.さすがに第8中継地点に到着したときは,顔が引きつっているようであった.さぁ,残すはあと1区間である.最終ゴールに向けてラストランである.

岩沼では工場が見られるようになった.川幅も大きくなってきた.

最後の一踏ん張り.ゴールはすぐそこだ.

さらにもう一丁! ファイト!一発! 顔が引きつっていないか!?

左のお二方,クランクアップ.お疲れ様でした.

さぁ,最後の再スタートである.

河口へ向けて,悠々と流れる阿武隈川を下っていった.

14.感動のゴール(亘理町)

ついにゴールした.福島市の渡利(わたり)から,宮城県の亘理(わたり)まで,全長約75kmの阿武隈川の旅であった.ゴールには白いテープが貼られ,次々と拍手で称えられながら,感動のゴールをきっていた.

順位は以下の通り.
⑥安達ファイヤーズ ⑫Team SHIBATA ③買いましたカヌーチーム ①西郷・白河源流チーム ⑧阿武隈OYAG’Z ⑩福島市役所R&Sスポーツ同好会 ⑯ふぐすま転覆隊 ⑦UFOの里飯野町 ⑭がんばろう仙台 ⑬亘理町 ②玉川カヌークラブ ④チーム大玉 ⑨チーム山土(やまど) ⑮Team南 ⑪CITY.伊達 ⑤アウトドア倶楽部

最後に,スタート地点から運んできたタスキである「阿武隈川源流の水」を川に戻して,フィナーレとなった.第2回の開催を誓って,閉会となったのであった.

ゴールの亘理船着場

ゴールにやってきたチーム山土(右側)

白いテープを通過するところ

ゴールしてカヌーを運ぶ

インタビューを受ける選手.残念ながらこのシーンはカットされていた.

ゴールしたぞ!!

閉会式では,豪華賞品が渡されていた.ちなみにチーム山土は13位だった.

タスキとしていた「阿武隈川源流の水」を川に戻してフィナーレとなった.

15.エピローグ

無事終了した第1回阿武隈川カヌー駅伝大会.
我が「チーム山土(やまど)」のメンバーに,後日アンケート形式で感想を聞いてみた.

1.参加してよかった点はどこですか.

はじめてカヌーに乗ることができた。水のスポーツも良いかも。
川の水面からの視点は、なかなか経験できません。
カヌーに10年ぶりぐらいに乗れたこと。
皆の性格(個性)があまり変わってないことが確認できたこと。
楽しかった。
自己満足だけど、普通はできない経験ができたこと。
あとは、○○チームにいた女子のうちの1人がちょっと気になった(冗談です)。
結果は二の次。チームが一つになれたことでしょうか!俺だけ?
皆さん、来年もお願いします。
「自然多くて、街中通ったりロケーション的には楽しめた」byG氏コメント「ゴジてれシャトル」より

2.参加して苦痛だった点はどこですか.

ありません。夢中でした。
風邪気味だったので、のどが痛かった。
真っ直ぐに進めない。
俺の操縦がヘボだったこと。
体力が持たない。
自分のことを棚に上げて、N君にキツイ事いってしまったかんじゃないかなぁと、
自問自答してしまったこと。
とにかく疲れた。
あと、狭いスペースでの膝立ちはきつい。でぶっちょなので…
ありませんが…残念だったこととして、独身貴族を卒業出来なかったことでしょうか?

3.タイムをあげるためには何が必要ですか.

集中力。諦めない、強い気持ち。持久力。すべてにおいて、足りませんでした。
カヌーをうまく操縦することが慣用。
練習(筋力と持久力)、ダイエット?事前の下見
酒!黄色い声援!チアガール!ゴール地点で○○を○○げて待つ美女!
Iさんのおっしゃるように、黄色い声援。

4.大会全体に関して,何かご意見ありますか.

初めての開催にしては怪我人も居なく、それなりに成功したんじゃないか。
各チェックポイントへ早く(遅く)ゴールしても、カヌーの置く位置で順位が変わってしまっていたのはちょっとおかしいと思いました。
商品は皆に分けましょう。
タイム計測に疑問あり。第1回だからしょうがないか…
それと、あんなに景品があったのに、上位チームで山分けってのは、んーーー、どうでしょう?
まぁ、ゴール後は、自チームだけではなく、参加者全員が一つになれたように感じたのは、私だけでしょうか?
本宮市から出場し3位入賞の「買いましたカヌー」チーム、広報もとみやに掲載されてました。
事務局の運営に感謝したい。
この先ずっーと大会が続くことを願う。

参加して一体感が持てたこと,これが大きな成果だった.優勝した暁には独身貴族を卒業しますと誓っていたチーム山土,13位ということで,当分独身貴族は卒業できそうにもありません.上位チームで商品山分けっていう感想,勝負の世界は厳しいのですよ・・・.実力を上げましょう! 私としては,もう少し川を楽しめて眺められる区間(つまりタイムを競わない区間)が2つほどあってもよいのかと思いました.
最後に,この大会を陰で支えていた運営スタッフの労力には,第1回目ということもあり,並々ならぬ苦労があったことと思います.大会が成功したことが,最大の成果だったと思います.