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対馬島・壱岐島 (つしま・いき) 
                                
このコラムはJTB発行「旅」1996,6月号P225に掲載されました



 対馬・ハングル語標記

 北九州で所用があり、それを済ませた後、「せっかく九州まで来た」ということで、対馬・壱岐へ足を伸ばすことにした。ちょうど土・日も挟まり、小旅行をするのには適した日程だった。
 九州地方はこの冬初の寒波がやって来て、非常に肌寒い天気だった。昨日は冷たい風が強く吹き、みぞれ混じりの雨が頬を突き刺すように降っていた。
 対馬までの飛行機に乗るため、福岡空港へと向かった。小倉から快速に乗り、博多で地下鉄へと乗り換えた。
 頭上にある案内表示板の指示に従って、駅のコンコースを地下鉄のりばへと歩いていった。すると、日本語と英語による案内の他に、中国語、ハングル語による標記もその横にされていた。そして、地下鉄に乗ると、「ドアにご注意ください」「MIND THE DOOR」「開門門時請小心」「○○○○ハングル語」と4ヶ国語で書かれたステッカーが全てのドアのガラスに貼ってあった。福岡空港の国内線のごみ箱にも、「もえるゴミ・もえないゴミ」という日本語の隣に、○や|の入り混じったハングルの文字や中国の見慣れない漢字が標記されていた。
 対馬までは約1時間である。今日は天気が良く、眼下の景色がー望できた。飛行機が高度を上げて空港が徐々に小さくなっていき、福岡の街並みが見渡せるようになった。こうして見てみると福岡の街がかなり大きいことがうかがえる。博多湾に目をやると、「海の中道」とよばれる半島が、線のように細く長く美しく海中に弧を描いて延びていた。


    
対馬の玄関口・対馬空港          対馬の最北・比田勝のバス待合室


 対馬も寒かった。まずは浅茅湾の美しい景観が見られる万関展望台へ行こうと思った。バスの時刻を調べたが、適当なバスが走っておらず、タクシーを利用することにした。
 対馬空港のロータリーには
『歓迎 WELCOME ○○(ハングル語) 』
と書かれた観光案内板が立っており、ここでもハングル文字に出会うことができた。タクシーの運転手さんに聞いてみた。
「韓国からの観光客はかなり多いんですか。」
「そんなにでもないですねぇ。年に1度の祭りの時には、やって来るんだけどね。」
「あらそうですか。結構あちこちでハングル語を見かけたもんですから。」
「あー、あれね。お隣の国ですから、親しい気持ちを込めて付けているものなんですよ。」
という事であった。
 対馬は古来、日本列島と朝鮮半島とを結ぶ海路の要衝として栄えていたところである。対馬から朝鮮半島までは53kmであり、博多港までの147kmよりもはるかに近い。「国際化、国際化」と叫ばれている昨今、国際交流の意識が盛んになってきているということを改めて実感し、国境に近いところほどその意識は高いのではないか、という気がした。
 観光案内の文章、道路の道案内の標識、町村名の看板にもハングル語の標記がついていた。近い将来、北海道ではロシア語.沖縄地方では中国語、などといった標記があちこちで見られる日が到来するのだろうか。


    
壱岐の玄関口・芦辺港          小さな漁港・勝本           壱岐を結ぶ国道フェリー(呼子側)


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