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No.56 靖国神社
Yasukuni Shrine

【画像とコラムで紹介する東京案内です】


 夏になると何かと話題になる神社である.

 靖国神社は「戦時または事変において戦死・戦傷死・戦病死もしくは公務殉職した軍人・軍族およびこれに準ずる者」を国の認定のもとに合祀する神社である.軍人・軍族のみであり,戦争によって亡くなった民間人は祀られていない.歴史は古く,戊辰戦争(明治維新)において亡くなった人々のことを伝えるために明治天皇が「東京招魂社」という名前で明治2年に建立したものである.その後,明治12年に「国を安らかでおだやかな平安にして,いつまでも平和な国につくりあげよう」ということを込めて「靖国」という名前に改められた.西南戦争・日清戦争・日露戦争・第1次世界大戦・満州事変・支那事変と,それぞれの戦争で亡くなった人を「神様」として祀られている.現在,約246万柱の神様が祀られており,そのうちの約8割は第2次世界大戦で亡くなった方である.

 靖国神社だけは戦前まで陸軍省・海軍省の直轄にあった.そういったことからも,靖国神社は特別な存在だったことがうかがえる.「日本の首相が公式に靖国神社へ参拝すること」が中国等の周辺諸国から問題にされるのは,東京裁判において第2次世界大戦のA級戦犯とされた人(東條英機など)が祀られている靖国神社に参拝するのはけしからん,という点である.ここまで話を進めてくると,東京裁判そのものが国際法に基づくものだったのか,サンフランシスコ平和条約第11条の解釈はどうなのか,といったことに話が広がっていき,議論の決着がつかなくなってくる.(詳しくは,靖国神社内にある,日本人が戦った歴史を正しく理解してもらうことを目的として建てられている(靖国神社社務所のパンフレットより引用)展示館「遊就館」にパンフレット等が置かれているが,客観的な目で観覧することを願う.)

 ただ,一般戦没者の遺族にとっては,国の至上命令のもとに尊い家族を失ったわけで,そういった方々への素直な気持ちでの慰霊は必要なことであろうと思う.戦争を引き起こし導いた者と,その戦争で亡くなった一国民の墓地を別々に設けて,それぞれ個人の自由な意志に基づいて参拝できるようにしたらいいのではないか,といった提案があがっている.

 ちなみに,本殿には戊辰戦争で朝敵とされた会津藩や西南戦争で反乱を起こした西郷隆盛は祀られていないが,境内の隅にある鎮霊社において,本殿に祀られていない方々と世界各国の外国人戦死者とともに,会津藩や西郷隆盛は祀られている.



近代日本陸軍の創設者・大村益次郎の銅像と銀杏並木


ひのき造りの「神門」 扉の両方には直径1.5mの菊の御紋がついている


「拝殿」 菊の御紋が印象的である


平和の象徴である「白鳩」が約600羽飼育されている
モーツアルト作曲「おもちゃのシンフォニー」が流れると
餌付けの時間(AM10,PM3)となって鳩が空を飛び回るという



拝殿には,昭和天皇御製の歌が掲げられている


大東亜戦争中(靖国神社では,太平洋戦争や第2次世界大戦といった言葉は使われていない)
東部ニューギニアで実際に使われていた野戦高射砲



砲弾

  
神社周辺に張られているビラ


このシリーズは更新されていきます。次回をお楽しみに。

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